吉祥寺のタイランド!愛嬌たっぷりの店主と現地料理からポジティブパワーをもらえるお店

今回紹介するのは、『吉祥寺 アジア食堂ココナッツ』。

吉祥寺駅北口から徒歩1分、「ハーモニカ横丁」なる路地に、飾り付けがひと際賑やかなお店がある。

店名が書かれた白い看板
タイビールも並んでいる
店の前に着いた瞬間からハッピーなパワーをもらえる明るい雰囲気だ

ふんわりと漂うガーリックとエスニックの芳ばしい香りに誘われて、店内へ。足を踏み入れると、ビビッドカラーの内装に所狭しとタイグッズが並ぶ。

おつまみとして大人気豚皮チップ「ケプムー」

バンコクの屋台街を意識しているそうで、吉祥寺であることを忘れてしまうほど…。

ところで、実は正面からだと分かりづらいが、ココナッツは3階建て。1階〜3階でそれぞれバンコク、プーケット、チェンマイをイメージした内装にしているとのこと。プーケットフロアとチェンマイフロアの紹介はのちほど!

お話を伺った方/看板娘兼オーナーのなっちゃん

ハツラツとした笑顔で迎えてくれたのは、タイのモン族衣装を纏った2代目オーナーの小林ポンティップさん(ニックネームはなっちゃん)。なっちゃんに会いに来る常連さんも多いというほど魅力たっぷりななっちゃんに、日本でお店を開いたきっかけやお店のこだわりなどを伺った。

――お店を始めたきっかけを教えていただけますか。

私が高校生のときに両親が始めたお店です。オープンしたのは2010年10月。

父が会社を辞めたタイミングで自分たちのお店を始めようと。当時、母はタイマッサージ屋さんで働いていたこともあり、お店を持つならタイマッサージ屋さんかタイ料理屋さんがいいなって。

店舗探しをしていた際に、たまたま紹介されたのがタイ人のコックさん。それならと、タイ料理屋さんを開くことに決まったそうです。

――吉祥寺を選んだ理由は?

紹介されたコックさんが吉祥寺で働いたことがあって、絶対に吉祥寺がいいよって勧めてくれました。

実際に店舗探しで吉祥寺に行ったのですが、それが水曜日だった。水曜日って多くの不動産屋が休みじゃないですか。

ですが、とある不動産屋の前を通ると、お店自体は休みなのですが、店舗前で店主さんが物件紹介の張り紙を貼っていて。その張り紙の物件がここ、ココナッツの店舗だったんです。

物件情報を見ると、あまりにも家賃が高くて。ですが、不動産屋の店主が「ハーモニカ横丁の物件はなかなか出ないよ」って。

家賃の高さに父は躊躇したのですが、母は「3階まであるしすごくいいね!じゃあ、私が契約書にサインするよ」と。それでお店が始まりました。私が高校生の時でした。

――そうだったのですね。

両親が店を始めて10年目くらいのときに、父が心筋梗塞で倒れてしまったんです。なので、今は家でゆっくりしていることが多いのですが……。

そのタイミングで私が2代目を引き継ぎました。実は、それまでは車のディーラーで働いていたんですよ。接客業が好きなんですよね。

――ココナッツという店名の由来は?

私がボソッと言ったらしいですよ。ニックネームがなっちゃんだから、ココナッツのなっちゃんだったら可愛いかなって。

――たしかに、響きが可愛い!ちなみに、なっちゃんの由来は?

タイ人はみんなニックネームを持っています。自分やお母さんが好きなものなどから、自由に付けて良いんですよ。

――えー!そうなんですか!

私の場合は、母が私を妊娠していたとき、ナシやなっちゃんオレンジをよく食べたり飲んだりしていたから、なっちゃんに。

タイ人が呼び合うときは、みんなニックネームです。タイ人は本名が長いので、そういう習慣があります。

――日本でお店を続けるにあたって、大変なことはありますか?

集客が難しいなと。タイ料理は日本人にとって日常食ではないじゃないですか。1か月に何回か食べる程度だと思います。コロナが落ち着いて、客足は戻ってきていますが、まだまだです。

――常連さんが多いと伺いましたが、そのような実情もあるのですね。接客をする上で意識していることはありますか?

笑顔で積極的に話しかけるようにしています。お客様が求めていることを、先に提供できるように。たとえば、飲みかけのグラスがあれば、「飲み物おかわりしますか」って。2階、3階もあるので、夜の時間帯だと慌てることもありますが、お客様をよく観察して動くようにしています。

――おすすめのメニューを教えてください。

最近人気なのは、おつまみ系!空芯菜の「パップンファイデーン」やタイの発酵ソーセージが入ったオムレツ「カイジョウネーム」が人気です。

女性には、春雨サラダの「ヤムウンセン」や青パパイヤサラダの「ソムタム」、海老のすり身揚げ「トードマンクン」。それからパクチーブームもあって、パクチーサラダの「ヤムパクチー」が好まれますね。

寒い日には、ピリ辛の海鮮炒め「タレーパッピックパウ」もよく頼まれますよ。

ごはん系だと、定番で人気なのは「ガパオ」です。男性人気は「カオマンガイ」、女性人気は「パッタイ」や「グリーンカレー」。

タイビールも種類がたくさん!
クライナーや
珍しいサワー系も!

――たくさんありますね!なっちゃんが一番好きなのは?

やっぱり「ガパオ」が好きですかね。あとは一時期「カイジョウネーム」にハマって毎日のように食べていました。それからインスタント麺サラダの「ヤムママ―」も!これを激辛にして食べるのが好きです。お腹痛くなるので、仕事中は食べないようにしていますが(笑)

料理の紹介

魅力的なメニューが多いココナッツ。選ぶのに苦労したが、なっちゃんがおすすめしてくれた「ガパオ」と人気マークが付いているタイ風焼き鳥「ガイヤーン」、店内に入ってからずっと気になっていた生パクチーサワーを注文。

ジャーン!

ココナッツの料理は、タイの東北地方にあたるコーラート台地出身のコックさんが調理しており、タイ料理の中でも少し濃いめの味付けなんだそう。

左:プーケットビール、真ん中:チャーンビール、右:生パクチーサワー

まずは、どっさりと盛られた生パクチーサワーで乾杯。一口飲むと、思った以上にすっきりした飲み口で驚いた。タイの焼酎を使ったサワーで、少し甘めでお酒感が弱いため、パクチーの風味を直に楽しめる。

サワーと一緒にパクチーを食べたり、サワーを飲み終えたあとに残ったパクチーをつまんだりも。パクチー好きには堪らないサワーだろう。

つづいて、ガパオを。上に乗った目玉焼きの黄身が半熟プルプルで、シズル感が堪らない。

ガパオは自宅でも作ることがあるのだが、一口食べて思ったのは「自分が作るのと全然違う!」ということ。辛すぎず、ニンニクが効いていてパクパクとスプーンが進んでしまう。味の秘訣を聞いてみると、現地の調味料で味付けをすることだそう。

ひき肉の旨味とタイの生唐辛子などの調味料が合わさりジューシー。かと言って辛すぎることはないので、辛いのが苦手な人にもおすすめできる一品だ。

最後にはガイヤーンを実食。しっかりと火を通してあり、皮目はバリバリとした仕上がりだ。パサつかず、ジューシーで柔らかい、絶妙な火入れ加減に感動。付属のソースにつけると少しピリッとして味変できる。Wサイズは結構ボリューミーなので、2,3人でシェアしながら食べるのをおすすめする。

2階3階はどうなっているかというと…

上階へ続く階段には、プーケット、チェンマイの文字!なんだか旅行に来たようでワクワクした気分になる。

2階に到着。プーケットフロアは、水色を基調とした爽やかな印象を受ける空間になっている。20名程度が入れ、貸し切りにも対応している。

なっちゃんが現地から調達したという貝殻の飾りやマグネットも。リゾート感満載で、お客様から好評だという。

タイ南部・パンガン島で行われるというフルムーンパーティーのグッズで彩られた区画も。世界各地のパリピが参加するこちらのイベントになっちゃんも参加したそう!現地のグッズを持ち帰って装飾に使っているのだ。

続いて、チェンマイフロアの3階へ。

1階の雑多な雰囲気や2階の陽気で明るい雰囲気とは打って変わって、エキゾチックな空間が。思わず息を呑んでしまうほど…!場の雰囲気に慣れていくと、暗がりの座敷なので落ち着いて食事ができるだろう。

そして、なんとなっちゃんが着ているのと同様のタイのモン族衣装をレンタル可能!モン族衣装を着ながら、タイ料理を食べれば、美味しさも楽しさも倍増することまちがいなし!女子会にうってつけだろう。

お母さまのスパワディさんとポンティップさん(なっちゃん)

明るい笑顔で親しみやすい人柄のなっちゃんは、ハッピーオーラで溢れ、なっちゃんに会いに来る常連さんがいることにも納得。エスニック料理を食べたい方はもちろん、モン族衣装を着てみたい方、最近ちょっと元気がないな…なんて方も、ぜひ一度吉祥寺のアジア食堂ココナッツを訪れてみて。

店舗情報

店名
吉祥寺 アジア食堂ココナッツ
住所
東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目1‐9
ハーモニカ横丁内
吉祥寺駅北口徒歩1分
最寄駅
吉祥寺駅
駐車場
なし
電話
080-6639-1179
コロナ禍への対応
お店HP
①https://kichijojicoconut.com/ ②https://asiasyokudoucoconut.owst.jp/

インタビュアー

吉田真琴
日本

こんにちは!フリーライターの吉田真琴です。食べることがとにかく大好きで、1年に300軒ほど外食をします。週末にはおいしいごはん屋さん探しに奔走しています。