野菜もお肉もギュッとつまった、ボリューム満点バインミー☆
吉祥寺駅南口から徒歩1分。ベトナム国旗の色、赤と黄色のポップな看板が目印の小さなお店があります。今回取材するバインミー☆サンドイッチはテイクアウトがメイン、3席のイートインスペースを備えたお店です。
お店で働くチャンさんに、話を聞きました。
お話を伺った方/チャンさん
―お店はいつできましたか?
2021年の6月です。今年の夏には北口にも姉妹店ができました。南口と北口それぞれオリジナルメニューもあります。
南口店のイートインスペースは、先月できたばかりです。ここで食べていく人も多いです。
―どんなお客さんが多いですか?
毎日いろいろなお客さんが来てくれます。大学や専門学校があるので、日本人だけではなくベトナム人の学生さんもよく来ます。
ー人気のメニューは、日本とベトナムで違いますか?
どちらの国の人にも、人気のメニューはだいたい同じです。バインミーメニューでは「サイゴンハム」と「カリカリ豚」、イートインメニューでは「牛肉のフォー」と「ブンボーフエ」が人気です。
―大変なことやうれしいことはなんですか?
たくさんありますが、特に大変なのはバインミーの種類が多いこと。通常メニューも多いですが、さらにカスタムバインミーもあるので、キッチンの仕込みが大変です。
うれしいのはやっぱり「おいしかった」と言ってもらえること。毎日通ってくれているお客さんもいます。
―お店のこだわりはありますか?
パンは毎日お店で焼いています。北口店のパンも、南口店で焼いて持って行っています。
それから野菜。パクチーは地元三鷹・武蔵野産のものを使っています。大豆から作られるビーガンミートは、ベトナムから取り寄せています。
ーチャンさんのおすすめメニューはありますか?
毎月変わるマンスリーバインミーです。過去には豚の角煮やイワシのトマト煮、肉団子などがありました。11月はベトナムシチューです。
料理の紹介
ベトナムシチューバインミー
チャンさんおすすめのマンスリーバインミー、「ベトナムシチュー」をイートインでいただくことに。今回はサンドイッチの形ではなく、シチューにパンが添えられています。
シチューの具は日本でもおなじみの牛肉、にんじん、じゃがいも。パクチーに隠れているものを含めると、大きな牛肉がなんと4つも入っていました。とってもボリュームがあります。
2時間かけて煮込んだというお肉は、れんげで簡単に切れるぐらいのやわらかさ。野菜もやわらかくて、味がしみています。
コクがあるシチューですが、たっぷりのパクチーやスライスした玉ねぎといっしょに食べるので、日本のものとは一味違います。さっぱりしていて、香りもいいです。
レモンを搾るとさらにさわやかになって、また違った味わいに。私はサテ(ベトナムラー油)をのせてもらったので辛みも加わり、ひとつのお料理の中でいろいろな味が楽しめました。
焼きたてのパンはとっても香ばしく、外はパリパリでちょうどいい固さ、中はやわらかくもちもちです。
「シチューにつけて食べるとおいしいですよ」とチャンさんが教えてくれましたが、パンだけでいくらでも食べられるおいしさ。実際、取材中にパンだけを買いに来た常連さんがいらっしゃいました。
おみやげにバインミーをひとつテイクアウトすることに。
オーダーはすべてタッチパネルの券売機で行います。パクチーやチリソースの有無も、タッチパネルで選べます。
人気メニューのひとつ、カリカリ豚を頼もうとすると、チャンさんからアドバイスが。
「時間が経ってから食べるなら、ハムのほうがいいですよ。なますは別添えにできるので、タッチパネルで選んでください。パンが水分を吸うのを防げます。家で食べるときはトースターで1,2分焼いてくださいね」
今回はもうひとつの人気メニュー、サイゴンハム&豚パテバインミーにしてみました。
サイゴンハム&豚パテバインミー
ハムとパクチーだけでも十分のボリューム。店内で写真を撮らせてもらった後、包装紙でくるくると巻いて、テイクアウトしました。
翌朝。自宅で別添えなますを詰めてみました。口をいっぱいに開けても、ほおばりきれない大きさです。
厚切りのハムがフランスパンにばっちり合うのは想像通りですが、日本ではおせち料理でおなじみの「なます」も、甘酸っぱさがパンに合うんです。日本人にとっては意外な組み合わせです。
たっぷりのパクチーは香りが良く、きくらげや豚の皮が入ったものなど3種類のハムで、さまざまな食感も楽しめます。一見バラバラな個人が、集まると力を発揮するチームのよう。
おいしい上に栄養バランスも良く、これひとつでおなかいっぱいになる、まさに完璧なベトナムのサンドイッチ・バインミー。店内で、テイクアウトで、みなさんもぜひ味わってみてください。