北京で生まれ、日本へ。日本のサイフォンコーヒーの良さを伝えたいという思いから誕生した珈琲店
お店の紹介
本日ご紹介するのは三鷹駅北口から徒歩11分程の場所にある「ニンカフェ NING’S COFFEE」です。
コーヒーはテイクアウトをすることも可能です。お店の外にあるカウンターから注文をすることができます。
ブラウンを基調としたシックな店内は落ち着いた雰囲気。客層はほとんどが常連と思わしきお一人のお客様で、それぞれお気に入りのコーヒーを注文し、読書や書き物をしながら過ごしておられました。そんな自分時間を過ごすのに適した心休まる空間が、ニンカフェの特徴でもあります。
お会計は前払いでカウンターでするスタイルです。レジに置いてあるメニューを見ながら注文します。コーヒーは全てサイフォンで入れており、ブラックコーヒーだけでも8種類あります。特記すべきは中国雲南のコーヒーがあること。こうした点も中国で誕生したお店ならではです。
喫茶店に欠かせないトーストやサンドのメニューもあります。甘いものではなく、お食事のメニューとコーヒーを合わせたい方には嬉しいオプションです。
料理の紹介
オーダーしたのはおすすめと教えていただいた「ニンカフェ オリジナルブレンド(520円)」と一番人気の「喫茶店のクラシックプリン(450円)」の生クリームのせ(+100円でのせることができます。)。コーヒーとスイーツを一緒に頼むと50円引きになるのでお会計は1020円でした。デザートは季節限定商品などもあるので随時チェックしたいところです。
運ばれてきたコーヒーからは豆のよい香りが漂い、いただくとビターで深みのある味わいが口の中に広がります。個人的にサイフォン式コーヒーは、香りや豆の濃い味わいがよりダイレクトに伝わるように感じました。
クラシックプリンは、そびえたつ生クリームがなんとも目を引くビジュアルです。プリンは昔ながらの固めのスタイルで、弾力のある食感にしっかりとした卵の風味とコクのある味わい。香り高いカラメルソース、甘さ控えめでなめらかな生クリームとプリンを一緒にいただくと絶妙なバランスで溶け合います。もちろん、コーヒーとの相性も抜群です。
お話を伺った方/オーナーの長谷川寧子(やすこ)さん
オーナーの長谷川寧子(やすこ)さんは元々、流通会社の社員として2011年から中国の北京に駐在していました。当時から海外で珈琲店を開業したいという思いを持っていたそう。
「中国で店舗をオープンしたのには、何かきっかけとなるような珈琲店との出会いがあったのでしょうか?」と質問すると、「特にそうしたお店はなかったのですが、いつか海外で珈琲店を開きたいと思っていました。そして、やるなら日本らしい喫茶店をしたいとも。サイフォン式コーヒーに取り組んだのは、エスプレッソかドリップコーヒーが主流の海外で日本のサイフォン式コーヒーの豊かな味わいや良さを伝えたいと思ったためです」と答えてくださいました。
こうした思いのもと2016年に当時働いていた会社を退職し、日本で修行をしたのち2018年に中国の北京でお店を立ち上げました。「ニンカフェ NING’S COFFEE」の名前の由来は、中国で立ち上げたお店を長谷川さんの名前から一字取った「寧珈琲」とし、それが中国語で「Ning ka fei(ニン カ フェイ)」と発音することだったといいます。
2020年に、旦那様の駐在期間が満了となり日本に帰国。2021年に再び三鷹で店を開くことになったのだそう。日本でお店を開くことになっても、このサイフォン式コーヒーは外せなかったと言います。「日本国内でもサイフォンを導入するお店は少なくなりましたが、古くからあるこの器具の良さとコーヒーの味わいを楽しんでほしかったのです。」と笑顔で語ってくれた長谷川さん。その言葉からもサイフォン式コーヒーへの愛情が伝わってきます。
「お店にはご近所の方もよくいらっしゃるのですか?」と伺うと「はい。お客様は近くにお住まいの方が多いです。中には高齢の方も多く、昔ながらの喫茶店の雰囲気を懐かしんでいただけているのかと思うと嬉しいです。この土地で暮らす方々に長く愛されるお店になれたらいいなと思います」とお話してくださいました。
店内にいた際も、長谷川さんや旦那様が常連と思わしきお客様に話しかける姿を何度も目にし、こうしたご夫婦のあたたかさが多くの方がお店に集う最大の理由だと感じました。訪問時は筆者もゆっくりと時間を過ごさせていただきました。
お店に訪れた際は、落ち着く雰囲気、サイフォンで淹れたおいしいコーヒーやデザート、素敵なご夫婦とのひとときをぜひ多くの方にも楽しんでいただけたらと思います。