
【閉店】ロシア文化を堪能できる隠れ家的レストラン

初めまして!
フリーライターの榎本力良(えのもと ちから)と申します!
私は2019年3月まで、長崎大学多文化社会学部に在籍していました。
在学時はバックパッカーとして、3カ国への交換留学を含め20以上の国や地域を巡りました。時にはホームレスになり、現地学生の宿舎に居候したり。また時には誤って高速道路に自転車で乗り入れてしまい、行き交う運輸トラックに轢かれそうになりながら必死にペダルを漕いだことも。
そんな珍道中のなかで口にした食事やお酒を通じて、その土地々々の人情や風情を胸に刻む。
そんな不器用な学生でした。
現在は東京都内に暮らしながら、フリーライターとして生計を立てています。
2024年には妻と一緒に日本一周のバンライフを計画しているため、旅に向けてお金を貯めつつ、時間と場所に縛られないためのライティングスキルを磨いています。
故郷グルメガイドでは、東京の八王子多摩エリアにありながら異国風情を楽しめる外国料理店を紹介して参ります。
記事を通して、読者の皆さんに少しでも外国気分を味わえてもらえれば、また1人でも多くの方に「お店に行ってみよう」と感じてもらえれば嬉しいです!
店の紹介

今回ご紹介するのは、府中市にあるロシアンレストラン・ペーチカ様。
府中駅からほど近いマンションの2階にある、隠れ家的お店です。
この日は仕事が忙しかった一週間を労うため、妻とふたりで週末のランチに訪れました。
来店前、「ペーチカ(печка)」という店名の意味が気になって調べたところ、ロシア語で「暖炉兼オーブン」を意味する言葉とのこと。その言葉の通り、ロシア産の材木から作られたインテリアが並ぶ店内は、まるで暖炉にあたっているかのような暖かみがあります。


店内には、マトリョーシカをはじめとするロシアン雑貨がずらり。
民芸品や絵本は自由に手に取れて、気になる品があれば購入も可能です。
食事だけでなく、雑貨からもロシア文化を感じられるのがとても魅力的です。

ちなみに、こちらが私のお気に入りの壁絵。
真ん中に店名のペーチカ(печка)をあしらった赤いマトリョーシカが、なんともチャーミングです。
料理の紹介

ランチメニューの中から、私はチキンストロガノフセット(税込2,200円)、妻はきのこの壺焼きセット(税込1,650円)をそれぞれオーダー。
さらに、二人でシェアするためにロシアン餃子のペリメニ(税込880円)を単品で注文しました。

それぞれの机にはこんな遊び心が。
「スパシーバ(ありがとう)とダスヴィダーニャ(さようなら)しか知らなかったな」などと己の勉強不足を反省しているうちに、料理が運ばれてきました。
サラダ(ランチセット内容)

まず運ばれてきたのは、ランチセットのサラダ。
サニーレタス、じゃがいものマヨネーズ和え、キャベツとにんじんのローズマリー風味と、一皿で3つの味が楽しめます。
自家製黒パン(ランチセット内容)

サラダの次に運ばれてきたのが、この黒パン。
パンは店内で焼いたものを提供しているので、暖かい状態で運ばれてくるのが嬉しいポイントです。
パン自体の甘さは控えめなので、バターをたっぷりつけて食べるのがおすすめ。やや硬めのパンの食感は、口の中で溶けるバターと相性抜群です。
ボルシチ(ランチセット内容)

こちらはランチセットに含まれているカップボルシチ。
ランチメニューには、ボルシチをメインで楽しみたい人向けのボルシチセットもありますが、その他のセットを頼んでもカップボルシチが付いてくるところにお店の優しさを感じます。
ロシア料理の代名詞とも言えるボルシチですが、個人的にはこの日が人生初の実食。
好みに合うか少し不安でしたが、ビーツの風味が効いた優しい味わいですぐに大好物になりました。
ペーチカ様のボルシチには、ビーツの他にじゃがいもやタマネギ、キャベツ、鶏肉とたくさんの具材が入っているのが特徴的です。
トッピングのサワークリームを溶かすと、程よく酸味が効いて良い味変になります。
ペリメニ(ランチセット別)

餃子に目がない妻の強い希望で単品注文した、ロシアン餃子・ペリメニ。
ブイヨンスープに浸った餃子は、もちもちとした皮の食感がやみつきになります。
餃子自体の味付けはシンプルなので、餃子を食べた後にスープを飲むのがおすすめです。
ちなみに、ペーチカ様のペリメニは鶏肉が使われていますが、本場のロシアやウクライナでは豚肉や牛肉、ラム、魚などの肉を使うこともあるのだとか。
チキンストロガノフセット

「ストロガノフ」と聞くとビーフが思い浮かびますが、ペーチカ様ではチキンとたっぷりのきのこが入ったストロガノフが堪能できます。
ぷちぷちとした食感のそばの実と一緒に食べるのがポイントですが、そばの実が苦手な方はライスに変更できるので安心です。
きのこの壺焼きセット


こちらは、妻が頼んだきのこの壺焼き。
熱々のパンで蓋をした壺の中には、きのこたっぷりのソースが隠れています。
ここまで、サラダ、ボルシチ、ペリメニ、チキンストロガノフ、そしてきのこの壺焼きと食べ進めて気づいたことがひとつ。
それは、ロシア料理には基本的に何にでもサワークリームとローズマリーが入っているということ。
だし、みりん、醤油、酒で何でも味付けする日本料理と、どこか通じるなあ、などと実感しました。
ロシアの味も、また格別です。
ミニヨーグルト・ロシアンティー(ランチセット内容)

食後の紅茶は、爽やかなベリーの香りが特徴的なロシアンティー。
本場ロシアでは、ジャムを舐めながら濃いめの紅茶を飲むのが一般的なのだとか。
ペーチカ様のロシアンティーは、紅茶にジャムを直接溶かしているようでした。
紅茶とベリーが合わさった風味が、デザートのヨーグルトとよくマッチします。
ミニブリンチキ(ランチセット+税込165円でミニヨーグルトから変更可)

妻はランチセット価格に165円をプラスして、デザートをロシアンクレープ・ブリンチキにランクアップしていました。
ナイフとフォークを使って食べる、包まないタイプのクレープです。
マーマレード入りのクリームの甘酸っぱさが、ロシアンティーの風味を引き立てます。

ひとしきりロシア料理を堪能して、お会計へ。
支払いはクレジットカードや電子マネーにも対応しているので、キャッシュレス派の方も安心して来店できます。
この日は、とても気立の良い2名のスタッフさんが切り盛りしていました。
ロシア料理店ということもあり、「世界情勢的に風評被害はありませんか」とスタッフさんお聞きしたところ、
「実は思っていたより影響は少なくて、逆に常連のお客様たちがお店を支えようと足繁くご来店してくださっています!」と笑顔で答えてくれました。
実際に私たちの食事中も、途絶えることなくお客さんが出入りしていました。
皆さんも是非、地域の人々から愛されるロシア料理店・ペーチカ様に足を運んでみてはいかがでしょうか。